中国農民調査が出版された時代から垣間見える農村の闇

中国中国農民調査, 情報統制, 農村の留守児童


中国農民調査の原版と文藝春秋出版の日本語訳された書籍です。

左側の黄色の本は、私が北京留学時に同じ大学で同じ寮の日本人の先輩より貰ったもので、右側の本はAmazonより中古で買ったものです。

留学時、3年程北京に滞在していた先輩より

もうすぐ帰国するんだけど、これ、刊行二ヵ月で発禁処分となったと話題のいわくつきの本なのね、で、日本に持って帰るのヤバそうだし、中国語の勉強にもなると思うから良かったらどうぞ。

という感じで譲ってもらいました。

面白そうだし早速読んでみようと試みましたが、当時初級レベルの私が上級レベル(多分)の書籍を読める筈もなく、帰国するまで本棚に飾ってありました。

留学を終えて帰国する時、荷物検査でいちゃもんつけられたらやっかいだなー、没収で済めばラッキーって感じかな?でも、これ貴重だし、ネタになりそうだしどうしようかな?と少々悩んだ結果、スーツケースの一番奥の方にひっそりと入れておきました。

出国時の荷物検査では、軽くチェックされただけで特に引っ掛かることもなく、何の問題もなく日本まで持ち帰ることができました。

よし、読むぞ!と試みましたが、当時、中国語レベルがようやく中上級レベルに到達したばかりの私にはハードルが高過ぎました。

下記の画像は原版の中身の一部で、こんな感じになっています。

私は辛うじて基本的な日常会話程度ならばそれなりにできますが、そもそも中国語能力が中上級レベルしかなかった上に、旅行以外で中国語を使う機会が全くなくてかなりの部分を忘れてしまい、今は初級レベルまで落ちてしまいました。

どう考えても読解が困難なので、素直にAmazonにて日本語訳された書籍を購入して読む事にしました。

ただ、その内容があまりにもえげつなさ過ぎて精神的にものすごく辛くなり、未だに途中までしか読めていません。

書籍のレビューサイトにこう書かれてあります(詳細はコチラ)

ある作家夫婦が、中国屈指の穀倉地帯を3年間取材。そこで明らかになったのは、税金や公金をでっち上げて農民を搾取する「悪代官」のような地方官僚と、圧制に耐えかねて抗議する農民を暴行、殺害するヤクザのような警察と公安の存在だった-。現代中国の「タブー」に踏み込み、刊行二ヵ月で発禁処分となった全世界注目の書。

本当にえげつないのです。

印象的だった内容の一部をざっくりとかいつまんで書きますと

●地方官僚の過剰な搾取による膨大な税負担の軽減を求め、帳簿の監査を訴えた農民代表の一人が、地方官僚に逆恨みされて難癖をつけられ、農民は何もしていないのに、地方官僚により暴力を振るわれたとでっち上げられ、加害者に仕立てあげられる。

農民代表が取り調べにおいて、派出所の副所長にいくら冤罪だと訴えても、副所長はそれにまともに取り合おうとせず、地方官僚の肩を持ち、治安共同防衛隊の隊員に拷問を指示。
3人の隊員による凄惨な拷問が30分以上続いた為、農民代表は死亡。

派出所の副所長は、リンチによって死亡した農民代表の遺族に対し、でっち上げで「被害者」とされている地方官僚に多額の損害賠償金を払うように要求。

それに対して怒り狂った農民たちが反撃に出ようとすると、身の危険を察知した加害者である地方官僚、派出所の副所長と拷問した隊員3人はそのまま失踪してうやむやにされる。

農民たちは直訴集団を結成し、上層部に訴えようと行動を開始するが、地方官僚はそれを阻止するべく情報統制と弾圧を仕掛けるが、それを何とかかいくぐった農民たちによりようやく上層部に農民らの訴えが届き、農民の処遇改善策がとられる流れになった。

そして、裁判所からリンチ死した農民代表の遺族に対する賠償金支払いが命じられたが、それは形だけでしかなく、実際には支払いがされることはなく遺族は悲惨な余生を強いられた。

 

●前科のある副村長による過剰な税金や公金の搾取や凄惨ないじめが横行し、それに苦しむ農民たちが異議申立てをして帳簿の監査を求めると、副村長は抵抗する農民たちに暴言、暴力をふるった結果、4人の農民が副村長の一族によりナイフで惨殺された。

その殺人事件は公安局に通報されたが、公安局は村民同士のもめごとが原因で重大な過失致死事件が発生したとでっち上げ、嘘のニュースを流して情報統制をした。

情報の隠蔽と事実の捻じ曲げに納得いかない農民たちに対し、公安局は刑法の一部を何条か読み上げ、直訴活動をしてはならない、騒ぎを起こしてはならない、むやみに人にしゃべってはならない。と指示。

遺族がどんなに訴えても事実は伝わらず、あくまでも事故死であるかのように扱われた。

 

●地方官僚からありもしない税金や公金をでっち上げられて過剰に搾取され続け、それに農民が抵抗すると納税拒否罪だと主張し暴言、暴力を貫き通す。

税金の支払いを拒否すると、税金よりも遥かに高いテレビを持って行くという横暴を働き、農民が帳簿の監査を要求しようものなら怒り狂って、関係のない無抵抗の農民の家族にまで暴力をふるった上に、家の中の家財道具を破壊しまくり、備蓄していた貴重な食料さえも、農民が生活の足しに商品として売っていたネズミの駆除剤を混ぜて駄目にする。

 

と、このような感じで、頭のオカシイ、マフィアのようなサイコパスとしか思えないような地方官僚が農村を支配しています。

ここまでくると、とても人間ではなく悪魔としか思えません。

さらにえぐいのが1990年から2000年の10年間において

中国国家が農民から徴収した税金の総額が87億9千万元から、5.3倍の465億3千万元に急増。
農民一人当たりで146元になり、都市の住民の収入が農民の6倍という状況で農民が納めた税額は都市の住民の4倍

とのことです。

これらの状況より、現代の中国の都市が栄えているのは、農村の大きな犠牲があったからではないのかと感じます。

さすがにこのままではダメでしょう!ということで、2006年には農業税を廃止という形で農民の負担は軽減されているようです。

それについての詳細は、下記のサイト記事をご参照ください。

中国、農業税を廃止

この中国農民調査が発行されていた時期には一応、農民の負担軽減策がとられてはいたようですが、あくまでもごく一部の農村にとどまっており、しかも、それは農民の為の負担軽減政策を実行していますよ。というポーズの為に形だけ整えた。というものがほとんどだったそうです。

そこで、その当時の中国の農村を描写している「あの子を探して」という映画は事実に基づいて作られたものですが、貧しい農村においては子どもは貴重な労働力であり、家庭環境によっては学校にも行けない子どもが多かったそうです。

まずは下記のあらすじをざっとお読みになった後に下記の動画をご視聴ください。

「あの子を探して」のネタバレあらすじと結末

下記は英語版です。ご視聴ください。

Not One Less (1999) – Check Trailer

 

そして、割と最近の映画でも中国の農村の様子がチラッと見られます。下記の動画をご視聴ください。

『最愛の子』映画オリジナル予告編

 

それから、さすがにもう21世紀なので、2000年代前半当時のような農村はないんじゃないかと思いますが、現代中国においても、これってポーズ?ちゃんと対策していますよアピールだよね?と感じてしまう事例があります。

下記の動画をご視聴ください。

【ドキュメンタリー】「一号院」物語~生まれ変わる農村


経済的に発展しつつある模範的な農村のモデルケースとして、中国共産党はアピールしたいようですが、これはあくまでも一部でしかありません。

未だに取り残された多くの農村が、農業やその他の産業等で生計を立てるのが厳しく、子どもをおいて夫婦揃って都会に出稼ぎ労働者として働きに出ていかざるを得ない状況なのです。

【農村の留守児童=中国】

留守児童に寄り添う「見守り母さん」 四川省射洪市

小さな子供たちが両親と離れ、おじいちゃんおばあちゃんや別の大人に育てられている現状から、衣食住は改善されてはいても、家族みんなで暮らせるような収入を得られる状況にないといった感じでしょうか。

さらに、高齢化が進んでいる中国においてはこのような問題に直面しているようです。
下記のサイト記事をご参照ください。

中国の現実。少子化で子供に捨てられる老人が「1億人」の衝撃
より一部抜粋します。

農村では、もっと深刻で、子どもたちが出稼ぎで都市に行ってしまい、残された祖父母が孫の面倒を見ている、その高齢の祖父母が病気になると、社会保障がしっかりしていないので、治療に非常にお金がかかり、どうにもならなくなり、絶望して自殺するというケースが増えているというのです。

抜粋ここまで。

中国では未だに農村、都市問わず、情報統制事実の捻じ曲げ都合の悪いものを隠蔽するという状態がまかり通っていますので、ほとんどの中国国民が中国共産党に対して強い不信感を抱いているそうです。

何よりも農村の問題は中国共産党にとっては都合の悪いモノなので、都市よりも遥かに過酷な人権侵害が行われているだろうことは容易に想像できます。

特に強制的に行われた一人っ子政策による過酷な人権侵害によって人々の心は荒んでいき、農村地域における売買婚姻の氾濫や性犯罪の多発が顕著になっています。

下記のサイト記事をご参照ください。

中国では結婚できない男性が3400万人。一人っ子政策の深刻なツケ

 

このような状況において、中国共産党は世界各地に移民政策を推し進めながら諜報活動をしています。
下記のサイト記事をご参照ください。

中国人は諜報活動することを法律で義務付けられていた!! 中国の「国家情報法」の恐るべき実態

 

中国共産党に洗脳されていたり、家族をネタに脅迫されていたりと、様々な事情により多くの共産党員が諜報活動を通して、日本を完全に支配しようと大量に入り込んでしまっています。

全ての中国人が悪人というわけではありませんが、頭がオカシイのも大量に生息していますので、決して油断せず十分に警戒してください。

 

最後に、悪の巣窟で害悪でしかない中国共産党と全ての共産党員、それに与する全ての悪人が、この世から一刻も早く滅び去る事を切に祈ります。