待機児童問題でいくら議論しても話が平行線になる理由 後半
野生の勘とオーラであぶない保育園を見分ける
前半までは親が子どもを保育園に預けるパターンとそれぞれの大人の事情を簡潔に書きました。
後半では、世間一般の保育園に対する要望や理想、その対応に苦心する実際の保育の現場の実情を順を追って書いていきます。
その前にあぶない保育園の見分け方を少しだけ書きます。
私はかつての保育園勤務時代に極度のストレスや過労で死にそうな目に遭ってきたので、保育園の側を通りかかり外観を見るだけで
この保育園ヤバい。絶対保育士が奴隷のように酷使され瀕死の状態だろうな。
子どもも保護者もかなり荒れているだろうな。
経営状態もかなり悪そうだな。
というのを雰囲気でわかるようになってしまいました。
今までの観察データの蓄積と過去の悲惨な経験から、私の生存本能が過剰に働くようになり、危険回避の為に野生の勘が研ぎ澄まされてきたのかもしれません。
言葉では表現が難しいのですが、どす黒い何とも言えないいやーな空気というか怨念のようなものを感じるのです。
その園の園長と電話で話しただけでわかる時もあります。
以前、大阪から東京に引っ越したばかりの頃に、夏休みだけの短期間のアルバイトを探していて、とある区の公立の保育園が条件に合致したので、区役所経由で応募しました。
面接を受けるようにと区役所からの手配で、指定された自宅から程よく通いやすい距離にある保育園の園長と電話で少し話してみた時に
ものすごく嫌なオーラを受けたので、とっさに適当な理由をつけてその保育園での面接自体を断り逃げました。
園長の声から
人手不足で全然余裕がないのよ。やっと保育士が確保できる!みたいなオーラを強く感じたからです。
ここ以外の同じ区の他の園なら何とかなるかなぁとも考えましたが、私の本能が激しく拒絶するのでその区の保育園でバイトをする事自体を見送りました。
この区にある保育園そのものがヤバそうだと感じたからです。
後日、別の用事ででその園の近くを通りかかった時に、実際に電話で感じたのと同じような嫌なオーラを感じました。
あのまま無理に我慢して働いていたら精神を病んでいただろうなあと思います。
それから
隣接する他の区の保育園に早朝だけの短時間勤務の仕事があり、区役所経由で応募すると、前回と同様に園長と電話で面接日時を打ち合わせをするように言われたので、電話で話してみると
園長の声から穏やかで平和なオーラを感じたので、ここの保育園なら何とかなりそうだと感じ、家庭の事情で辞めるまでは何の問題もなく4か月程は働きました。
改めて自分の野生の勘をおろそかにしなくて良かったなぁと心の底から思いました。
一定の条件から安全な保育園を見分ける
先ほどの見分け方は野生の勘がそこまで鋭くない人には難しいと思いますので、無難な見分け方で、ここだけは外せないという重要なポイントを書いておきます。
上記のサイトより一部転載します。
●保育の有資格者「保育士」が少なくないか 職員の入れ替わりが激しくないか
職員の状況も、危ない園を見分ける材料になる。
認可保育所では全員、認証保育所では6割以上など、施設の分類によって「保育士」の有資格者の配置割合は決まっている。だが、中には定員を下回り、自治体の監査で指導を受けている園も見られる。数えてみて保育士が少な過ぎると気付いたら要注意だ。
さらに、現役の保育士が口をそろえてブラック保育園の特徴として挙げたのは、「保育士がすぐ辞めること」。給与や労働条件の悪さに加え、園長がワンマンなど経営体制に問題があるケースもある。
転載ここまで。
保育士の数が少ないのは致命的です。
高確率で劣悪な労働環境にありますので、まともな保育は物理的に不可能です。
それでは、人手が足りない保育園はどうやって保育をしているのか?
子どもの自主性や子どものペースを尊重するような保育を行うには、保育士同士の細かい連携プレイがとても重要になります。
しかし、保育士の数が少ないと子どもの安全管理の観点から、子どもの様子に目が届きやすくする為に、徹底して一斉に保育を行うことになります。
例えば
子どもを遊ばせるにも、一定の場所で一定の遊びをさせるしかなく、子どもたちがそれぞれ自分の意志でどこで何をして遊ぶのかを決める、という選択肢がほとんどありません。
時間がきて部屋に戻る、別の事をする必要がある時は、子どもがまだ遊びたいとどんなに嫌がって泣き喚いたとしても、抱っこしてでも多少強引に連れて行くしかありません。
食事の時は食べるのがゆっくりな子がいても、時間がきたらそのまま片づける。
好き嫌いで食事を食べない子がいたら、急かしたり強めの口調で食べるように促す。
4歳以上の子どもならば、徹底的に理詰めでいうことをきかせるようにする。
子どもが保育士に何かを話しかけたり、甘えてきてもゆっくり話を聞いてあげる余裕がなく、適当に返事して切り上げる。
このような感じで子どもたちとじっくり向き合ったり、話を聞いてあげたり、スキンシップをしたりすることがどうしても不十分になります。
でも、理詰めの保育、支配と管理の保育をしないとどうしても業務が回らないのです。
保育士は業務を一通り回すので精一杯。
子どもは自分のやりたいことができず、充分に甘えることもできない。
そのような状況だと保育士も子どももストレスフルで心が荒んでいきます。
よほど相性が良いとかでもない限りは信頼関係を結ぶのも難しくなり、本来あるべき保育とは程遠くなります。
保育士の顔色が悪い、表情が暗い場合は追い詰められている事が多いです。
食事は子どもの成長と健康にかかわるのでしっかりチェックしてください。
他の掃除とか連絡帳とかは二の次なので、どこかで妥協するならそれらになります。
とにかく人手が足りない保育園に対して理想や過剰な要望を求めるのには限界があります。
基本的に認可、無認可問わず民間の保育園だと人手不足である確率が比較的高いです。
ただ、公立でもそれを感じる時も度々あります。
園によっても違いますが、公立の保育園の保育士もうん十年前と比べると、人手不足で余裕がなくなり、顔色が悪い人が少なくありません。
保護者やこどもの前では何とか無理して笑顔を取り繕っていますが、本当はいっぱいいっぱいなのです。
都心部に関しては公立だから安心だという時代ではなくなっています。
お互いに譲歩して協力し合うしか選択肢はない
これまで書いてきたように
親もいっぱいいっぱいで余裕がありません。
保育士も限界を既に超えており、世間や親の求める保育をする余裕がありません。
お互いがそれぞれ自分の立場を主張し合っている状態が続く限りは、平行線のままです。
でも、その状況下で一番辛い思いをするのは大人ではなく、子どもたちです。
保育園では
保育士に充分に甘えることができない。
自分の事を見て欲しい、認めて欲しいのに充分に受け止めてもらえない。
決められたこと以外は自分のやりたいようにはなかなかできない。
家では
親にも充分に甘えられない、親の愛情を感じられずに自信を失くし、自分を肯定できない。
実際にそのような暗い表情の子どもたちが増えています。
私は今の小学校が荒れている原因には、それらの要素も含まれているのではないかと思っています。
子どもたちは必死に辛い、助けて欲しいと訴えています。
大人が何とかしてあげないと、子どもたちは本当におかしくなってしまいます。
安倍晋三、麻生太郎を始めとする日本政府は国民からとことん搾取し、国民を苦しめる政治しか行いません。
下記のブログ記事をご参照ください。
安倍晋三・稲田朋美をはじめ緑の勢力が「第三次世界大戦」を引き起こそうとしている厳然たる事実。
現時点においては政府には期待するだけ無駄のような気がします。
子どもたちを健全な環境で育てるには、出来る限りそれぞれの大人の事情をどうにかしなければなりません。
本当に保育園での保育が必要でどうしても預けないとやっていけないのか。
それ以外の選択肢は全くないのか。
保育園にさえ預ければ育児は安心だと思い込んでいないか。
母子家庭、父子家庭、共働きでないと経済的に厳しい世帯はやむを得ないですが
もし保育園に預けなくても何とか生活ができる世帯であれば
せめて3歳くらいまでは家庭での保育はできないのか。
幼稚園を上手く活用してできる在宅ワークや短時間の仕事はないのか。
雇われて働くことに拘り過ぎて、フリーランスのような働き方を除外してないか。
いろんな選択肢を模索する事もできるのではないでしょうか。
といっても、母親或いは父親だけがワンオペ育児をするのでなく、夫婦で協力し合えるのなら徹底的にする。
それが難しいのなら
地域の子育て支援センターや保育施設の一時保育サービスを上手くフル活用して、1人で何でも背負い込まないように、周囲に遠慮なく助けを求める。
現状においては、こども達の為に大人ができる事をあれこれ試行錯誤し、夫婦、地域、行政と協力し合いながらやっていく。
これからはそういう事が大事になってくるのではないかと思います。