運転代行のバイトをしていた頃の思い出話
飲んだら乗るな。これ、必須事項ですよ。
最近、移住候補先の情報収集と事故物件のことで調べていくうちに、見えない世界とか不思議な現象について度々考えるようになりました。
そこで、ひと昔前のある意味コワイ話と不思議な話を思い出したので備忘録として書いておきます。
私が若かりし20代半ば位の頃、昼間は私立の幼稚園でフルタイムで、夜は運転代行で3,4時間程働きながら通信制大学に通っていました。
仕事を掛け持ちしている上に大学の課題もこなす必要があるという、どう考えても無謀な3足のわらじのハードな生活をしていたので、睡眠時間は平均3時間位しかとれていませんでした。
勤務していた幼稚園では延長保育をしていたので、お昼寝の時間というものがありました。
これは睡眠をとるチャーンス!!と考え、その時間に子どもたちと一緒に1時間ほど爆睡して体力を温存していました。
そんな生活が3か月程になろうとしていた頃、お昼寝時の束の間の睡眠で補うだけでは足りなかったようで、さすがに体力の限界がきていたらしく次第に集中力が下がっていきました。
昼間の幼稚園の仕事は同僚と助け合いながら何とかなっていましたが、運転代行の仕事は深夜での勤務が多い上に、高速ではない道路を高速道路並みのスピードでぶっ飛ばすこともしていましたので、今思い返すとかなり危険な労働環境でした。
運転代行の仕事でお客さんのところに向かって同僚の先輩が運転する車での移動中、眠気覚ましも兼ね、たわいのない世間話をしていました。
先輩が唐突に真顔で私にこう言いました。
もし、車の運転中にうっかりハブを轢いてしまった場合、もしハブがまだ生きていたら死ぬまで何度も轢いて轢き殺せ。でないと、あれはシツコク追いかけてくるからな。
私は、え?それはさすがに冗談ですよね?と聞き返したのですが
いや、これはマジだ。とにかく必ず死ぬまでひき殺せ。いいな?
と真顔で返してきたので、その件について私はわかりましたと返事をしてその話を終わらせました。
ある意味コワイんですけど、本当かなぁ?
そういうハブもいたのかなぁと真剣に悩みましたが、いたということにします。
それから、私はただでさえ方向音痴なのに、見通しが悪い深夜の畑だらけの田舎道を覚えるのに度々苦労していました。
そこで私は先輩に、見通しの悪い夜の道順をどうにか覚えたいんですけど、何かコツとかありますか?と聞いてみると
ウージ畑(サトウキビ畑)の形を覚えておけばいい。俺はそれでやっている。
と真顔で教えてくれました。
外灯が少なくて薄暗く、同じようなサトウキビ畑が延々と続くだけの田舎道で、そんな高度な荒技ができるのは多分、この先輩だけだろう。と考え、わかりましたと返事をしてその話も終わらせました。
それからある日、同僚がお客さんの車を運転し、私は追走していました。
途中、日頃の睡眠不足の蓄積が原因なのか、何度か強烈な睡魔に襲われましたが歌を歌いながら何とか必死に運転していました。
ふと気が付くと意識が飛んでいたようで、割と近い距離にお客さんの車があり、あ、これはヤバイ!と急ブレーキを踏み衝突は避けられました。
しかも、その日は不覚にも、3回も同じことを繰り返してしまいました。
さすがにこのまま3足のわらじ生活を続けたら私はそのうち事故って死ぬ、それに最近、ほとんど大学の勉強できていないし。と思い、それを機に運転代行のバイトは辞めました。
ただ、意識が飛んだのによく事故らなかったなー、3回も絶妙なタイミングで目が覚めたのも不思議だなーと考えると、今私が生きているのは奇跡なのかもしれません。
何かはわかりませんが、きっと見えない存在が私を守ってくれたのだろうとも思っています。
ちなみに、私は車の運転がなぜか昔から割と得意です。
運転代行のバイトをしていた頃は、同僚から女にしては運転上手いなと、微妙な言い回しで褒められました。
就職を機に島を出てから17年以上はペーパードライバー状態なのですが、なぜか私の体は運転を覚えているらしく、勝手に体が動いてくれるので実家に帰った時も普通に車を運転しています。
家族や親戚からは、ペーパードライバーなのに、何で運転できるの?運転技術も衰えてないし。と、とても不思議がられます。
何でだろう。うーん、わからない。
これが私の個性や才能というものの1つなのかもしれません。