物事を深く考えずに競売物件を落札した人の思考回路
先日、私に遺産分割の仕事を任せている身内(仮名かおり)から電話がありました。
数年前に競売で物件を落札した(仮名まりこ)さんが家に来て、二三男の分の通行料を預けに来た。
という報告でした。
私の反応は
はぁ?意味がわからない。
でした。
まりこさんが落札した物件は袋地であり、その物件の周囲の所有者は(仮名まゆみ)と(仮名かおり)と(仮名二三男)の
3人となっています。
袋地のイメージとしては下記の画像のような感じです
この画像はコチラより拝借しています。
落札後直ぐにまりこさんが、所有者であるまゆみとかおりの家に来て通行路となる土地の売却を打診してきました。
まりこさんが落札したのは袋地にある土地と家なので、道路と家を行き来するには
・通行路となる土地を購入する
・所有者に通行料を払う
のどちらかの選択をする必要があります。
ただ面倒なことに、この一帯の一部の土地は曰くつき物件でもあるので、袋地の周囲の土地の所有者としては、
その通行路となる土地だけを売ると
・その他の土地が非常に売れにくくなる
もしくは
・売れても相場よりもかなり安く買い叩かれる
可能性が極めて高いため、一部の土地だけを売るという選択肢はとらないことにしています。
まりこさんには
どうしてもその土地を手に入れたいのなら、この一帯の土地を全部まとめて購入してください。
とはっきりと伝えていますが、まりこさんはその条件に対して難色を示しています。
まりこさんが何度か
通行路となるこの土地だけを売ってほしい。と情に訴えて交渉してきましたが、全て断ってきました。
なぜ、一部の土地だけを売る。ということをしないのか。という理由も支障のない範囲で伝えました。
それでも納得しないようで、他の不動産業者らしき人を使って通行路となる土地だけの売却の打診を
何度もしてきました。
それでも、
一部の土地だけを売る。ということはしません。まとめて購入する人に売却します。
通行路となる土地だけがほしいのであれば、
土地をまとめて購入した人と交渉し、通行路となる土地だけを買い取ればいいんじゃないですか。
と一つの方法を提案した上で一貫して断り続けています。
まりこさんは、かおりやかおりの娘に会った時も、
情で訴えてきたそうです。
ああ、これは可哀そうアピールで情に訴えれば何とかなるだろう。
と考えていたのだと感じました。
基本的に、所有者は3人なので3人と交渉するのが筋だと私は考えています。
ですので、まりこさんが落札後、最初に連絡をとってきた時点で
二三男本人は認知症で施設に入っており、現在は成年後見人の申立てをしているところです。
成年後見人が立てられたら遺産分割調停を行います。
成年後見人が決まり、調停での結果が出たらご連絡しますので、二三男の件は成年後見人にお願いします。
とはっきりと伝えていました。
その後調停により、売却して3等分することが決まった時点で、まりこさんには二三男の成年後見人である
弁護士さんの連絡先も伝えています。
ただ、不思議なことに競売から数年経っているにもかかわらず、一度も二三男の成年後見人に連絡して
いないのです。
私がまりこさんに対して何度も、
二三男のことは成年後見人である○○弁護士さんにお願いします。
とはっきりと言い、連絡先も再度伝えているにもかかわらず、まゆみとかおりの家にしか行かないのです。
通行路となる土地だけの買い取りはとりあえずは諦めたのか、通行料ということで一定額のお金を持ってくる
ようになりました。
その金額については、どういう基準で決めたのかがわからないので聞いてみても
そういうものだから。
としか言いません。
自分にとって都合が悪いことがあるから、言わないようにしているようにみえました。
私がまりこさんに対して
通行料の金額について成年後見人の○○弁護士さんにも連絡したのですか?
と聞いても何も答えません。
さらには、二三男の成年後見人に連絡をとらないばかりか
二三男の分の通行料をかおりに【姉弟だから】と預けてきたのです。
しかも、預ける際に、土地を売ってくれないから仕方なくこうしている。
といった愚痴のようなことも言っていたそうです。
あたかも自分には非はなく、土地を売らない所有者側が悪いかのような感覚をもっている
ようにもみえます。
もしかすると逆恨みしているのかもしれません。
かおりは高齢なので細かいことはわかりません。
加齢により判断力、記憶力、理解力も落ちています。
最近は、財布を失くした、免許証を失くした、通帳を失くした!と探し回り、数日後に見つける。
ということもよく見られるようになってきました。
そのような事情もあって、手続き関係の事務処理は全部私に委任しているのです。
まりこさんには何度も、
二三男のことは成年後見人の○○弁護士さんにお願いします。二三男のことでかおりのところに来ないでください。
と電話ではっきりと伝えてきましたが、日本語が通じていないのか、頑なに成年後見人に連絡をとろうとしません。
それどころか、かおりに押し付けようとしてきたのです。
さすがに堪忍袋の緒が切れた私は、電話でまりこさんに対して下記のように淡々と言いました。
かおりは高齢で物忘れが激しくなってきています。
物を失くしては探し回ったり、保健士さんが様子を見に来てくれたりとか、自分ではできないことが増えています。
もし、預かったお金を失くしてもこちらは責任は持てません。
かおりは手続き関係のことは自分では何もできません。
かおりの分の遺産分割に関する事務処理は全部私がしています。
何度も二三男のことは成年後見人の○○弁護士さんにお願いします。とお伝えしましたよね。
かおりも私もまりこさんの召使いではありません。
姉弟といっても二三男とは仲が悪いんです。絶縁しているんです。とにかく関わりたくないんです。
だから、二三男のことは成年後見人の○○弁護士さんに連絡してください。と言っているんです。
かなり迷惑なので二三男の分の通行料を回収しに来てください。
もし、来られないのであれば、そのお金を拾得物として警察に持って行きます。
いつ回収しに来られますか?
ときつめに言ったところ、
明日、明後日には取りに行きます。
との返答があったので話はそこで終了しました。
近々、所用で島(沖縄)に行く予定なので、その時にまだ回収しに来ていない場合は、本当に警察に持って行くか
本人に突き返しに行こうかと考えています。
二三男の成年後見人の弁護士さんとは固定資産税や情報提供等の事務手続き以外の会話はしていません。
二三男のことを決めるのはその弁護士さんですし、こちらがどうのこうの言えることではありません。
こちらの考えや意見を押し付ける気もありませんし、あちら側の言いなりになる気もありません。
適度な距離をとった上で、お互いに対等な立場で接しています。
お互いの利害が一致しているので、土地の売却については必要最低限の協力関係にあるだけです。
この曰くつき物件の競売期間中にはたくさんの問い合わせがありました。
ほとんどが不動産業者でしたので、私が支障のない範囲で曰くつき物件であるという事実を具体的に伝えると
すんなりと引いていきました。
競売前、競売対象不動産の状況調査に来ていた執行官の方との雑談中に聞いた話だと、
稀に問題のない物件はあるにはありますが、競売に出る物件はほとんどが訳あり物件です。
と明言していました。
落札したまりこさんは落札前に一度も問い合わせをしていませんし、所有者にも一切コンタクトをとっていません。
要は、基本的な落札前の調査すらまともにしていないのです。
競売物件は普通の物件とは違います。
何かしらの理由で難ありだから格安なのです。
まともな調査をすることなく、曰くつき物件を購入して失敗しても「自己責任」でしかないのです。
競売物件はそれなりのリスクを考慮し、覚悟した上で落札するべきなのです。
怠惰によるミスで曰くつき物件を落札し、窮地に陥っているまりこさんに同情する気は一切ありません。
自業自得、因果応報、身から出た錆です。
まりこさんと直接会って話したことがある、所有者であるまゆみやその家族、かおりとその家族の話
を総合すると
まりこさんは漠然と、
所有者3人と交渉して相場より多少高い値段を提示すれば、通行路となる土地を購入できる
と楽観視していたようです。
以下は私の推測ですが
所有者の一人である二三男の成年後見人が弁護士なので連絡をとり辛い。もしくは連絡したくない。
人あたりの良いかおりなら、仲良くなって、情に訴えれば二三男の成年後見人との橋渡し役をして
くれるかも。
かおりさえ味方につければ他の所有者に対する説得もしてくれるかも。
と考えていたとしか私には思えないのです。
そう思える根拠として、私が以前まりこさんに対して
二三男のことは○○弁護士さんにお願いします。成年後見人の○○弁護士さんとは連絡をとりましたか?
と言っても、
わかりました。
としか答えませんでした。
まゆみやかおりには、お中元やお歳暮を贈っているそうです。
さらに、何かある度にかおりの家に来るそうです。
私が考えるにまりこさんは
所有者の誰かを自分の味方につければ、その人が話をまとめてくれるだろう。
情に訴えれば、何とかなるだろう。
というような、甘え癖のある人任せの短絡的思考の持ち主である。と考えれば辻褄が合うのです。
まりこさんとは電話でしか話したことがないので年齢はわからないのですが、声の感じだとおそらく
60代ではないかと思います。
まりこさんとのやりとりを通して、確かRAPTブログの有料記事の朝会の音声で60代の女性がいて
その人も情に訴えて、可哀そうアピールをして被害者ぶっていたな。
ということを思い出しました。
2017年11月20日(月)
あなたたちは人間の愛を求めてはいけない。神様の愛だけを求めなさい。
私以外の親族は男女問わずまりこさんに対して同情しているようでした。
でも私は、この朝会の音声の内容のおかげで
まりこさんの言動から、女性特有のいやーな欠点
被害者アピール、情に訴えて自分の思い通りに周囲の人間を動かそうとしている。
という忌まわしい事実に直ぐに気付くことができました。
まりこさんは長年そうやって生きてきたのだろうなと思いますが、私がその自己中心的な
策略をぶち壊しました。
落札してから数年間、まりこさんにとっては何も進まない状態が続くだけで、延々と
同じ行動を続けているようです。
傍から見れば、ちょっと視点を変えればいくつかの打開策はあるのになと思うのですが
まりこさんには自分が動くということよりも、周囲の人を動かすことでどうにかしよう
としているので行き詰っているように思えます。
そうして負のループに入ったまま抜け出せないようです。
男女問わず、自分の利得に執着していると周りのことが見えなくなります。
特に、自分がどう見られるか。という考えにフォーカスしていると
相手もしくは周囲の人たちの気持ちに意識が向かなくなります。
必然的に自分のことしか考えられなくなります。
特に女性は、自分の思い通りにならないと苦しくなって、自分の世界に入ります。
苦しんでいる自分は可哀そう。
自分は被害者。
という感じで、可哀そうな自分に酔いしれます。
どんどん視野が狭くなっていきます。
そうなると、正常な判断ができなくなっていきます。
自分の凝り固まった基準だけで物事を判断し続けるので、負のループに入ったままになります。
そうしているうちに、周囲の人たちが同情して優しくしてくれることを期待するようになります。
でも現実は思うようにはならないことのほうが多いです。
そのような感じでまりこさんは、周囲の人は冷たい。とか、厳しすぎる。自分は悪くない。
という思考に陥ったのかもしれません。
そのような自己中心的な人に同情してあれやこれやとやってあげても本人のためになりません。
所有者側にとっても負担でしかなく、メリットよりデメリットが多いのでまりこさんの要望に応える
気もありません。
仮に私がまりこさんに便宜を図ってあげたとしても、他の所でもまた同じようなことをする可能性が
高いので、まりこさんによって迷惑を被る人が増えていくだけでしょう。
そう考えると、余計な情けは相手のためにならないどころか、相手を堕落させるだけです。
まりこさんは商売をするためにこの物件を手に入れたそうですので、なおさら商売を始める前に
人任せの短絡的思考ではいつかは行き詰るという現実に気付いた方がいいように思います。