競売で欠陥住宅を落札した人の思考回路
浜辺の茶屋入口付近から見える景色
先日、競売物件を落札した、まりこさんと直接お会いして話をしました。(詳細はコチラ)
私が沖縄に来た時点でも、まだかおりに二三男の分の通行料を預けたままだったからです。
ただ、まりこさんなりにかおりに連絡をしようとしたが、タイミングが合わなくて連絡がとれず、そのままになっていた。
という事実が、かおりの携帯の着信履歴でわかりました。
それについては悪気はなかったのだろうとは思います。
そうして実際に話を聞いて見ると、案の定
競売物件にリスクがある云々を全く考えずに落札したとのことでした。
何故、あの物件を落札したのかという理由も聞きました。
自分の子供の将来を心配して、生活の基盤となる「家」を残す為だそうです。
特にあの場所に執着があったとかではなく、
単純に格安で手に入るということしか頭になかったようです。
所有者のうちの一人である二三男の通行料を、かおりに預けてきたのも、身内なんだからこれくらいお願いしても問題ないだろうと考えてのことでした。
私は改めて
・二三男が認知症で判断能力がなく、法律に則って成年後見人を立てた事
・二三男の権利義務に関する事務は成年後見人である○○弁護士さんの役目である事
・成年後見人の○○弁護士さんは家庭裁判所の管轄で仕事をしているので、こちらも
一定の距離を置いて必要最低限のやり取りしかしていない事
・二三男が親族全員から「極力関わりたくない」と忌み嫌われている事
等を事細かく説明し、改めて二三男のことは全部成年後見人の○○弁護士さんにお願いします。
手続きに関しては全て法律に従って進めているので、こちらに持ってこられても困る。
ということを伝えて、ようやく理解してもらえました。
それと、通行路になる土地だけを売ることはしない理由をより具体的に説明しました。
これに関しても、何の調査も確認もせずに曰くつき物件を落札した自分の落ち度を認識してくれたようです。
本人にとっては自分の子供の為に良かれと思ってしたようですが、それ自体が本当にまりこさんのお子さんの為になるかは疑問です。
というのは、二三男の家だった物件は、欠陥住宅で悪名が広まった住宅メーカーのものであり、実際、その例に漏れず欠陥住宅でした。
裁判所から来た執行官の依頼で、私が競売前の物件調査に立ち会った際、執行官、測量士、その他の職員の方々も、
あまりの物件の痛み具合にドン引きしていた程です。
基礎となる部分についてもかなり適当で、本来やるべきことをしていなかったおかげで
雨漏りがしやすい構造になっていたり、
二三男が塀の中に数年いたおかげで家の壁や床等至る所がかなり痛んでおり、廃墟レベルとも言える状態でした。
その調査に立ち会った人全員が、これ、取り壊す以外ないんじゃないの?という認識でした。
落札後は、定年後に定職に就いていない知り合いのベテランの職人さんたちに、内装だけのリフォームをお願いしたのでそこまで費用をかけずに住める状態にはなったそうです。
ただ、外壁塗装はしていないそうなので、おそらくその家の寿命は短いんじゃないかと思います。
終の棲家として購入されたようですが、どう考えても長く持たない、維持するにも修繕費がかなりかかりますので、建て直した方が安上がりでしょう。
まりこさんのお子さんの経済力を心配されてのことのようですが、
長い目で見ると、取り壊すのも、建て直すにもそれなりのお金がかかりますし
本当にお子さんの為になるかはかなり疑問です。
一時的な住まいとしては悪くないのかもしれませんが
普通に考えて将来的に負の遺産になる可能性が高いのではないでしょうか。
まりこさん自身も、旦那さんも、お子さんも、そのお孫さんもこれ以上はローンを組めるような経済状況にないようですので、一番高く売れる内に売り飛ばして将来の生活資金にした方が良いように思います。