乳幼児教育の軽視がもたらす弊害 大人になっても残る心の闇
イヤイヤ期のイメージ画像です。激しいですねー。
数日前、イヤイヤ期が題材となっている動画を見つけ、あまりの闇の深さに食い入るように何度も見ているうちに、もしかすると一定数のDV加害者の心の闇は、第一反抗期と言われるイヤイヤ期から作られるのではないか?と感じました。
というわけで今回は、乳幼児教育の軽視がもたらす弊害について考察していきますね。
まず始めに、参考資料として下記の動画をご視聴ください。
アジアンドキュメンタリーズ配信「結婚しない、できない私」予告編【日本初公開】
この動画は2019年にイスラエルが制作したドキュメンタリー映画ですが、儒教の思想にがんじがらめになっている中国の首都、北京において、ウーマン・リブに翻弄されながら、女性として仕事、結婚、家庭をどうするのか?と葛藤し悩み苦しむ姿を表現した内容となっています。
500円程度で視聴できるので、興味のある方は映画をご覧ください。
この動画に登場する、ラジオDJを職業としている28歳の女性は北京戸籍を持ち、それなりの家柄で育った一人娘です。
子どもの頃からお金に糸目をつけずに大事に育てられているのもあり、非常に高い理想を持つ母親から過剰な位に干渉され、誰と付き合っても否定されるので、結婚相手がなかなか決まらず悩み苦しんでいます。
中国では、北京や上海の都市戸籍は上流階級であり結婚相手への要求がハイレベルです。
そのせいでなかなかマッチングせず、結婚までこぎ着けずに苦しむ人がたくさんいるそうです。
映画の中で、28歳の女性は2歳の時に、母親の言う事を聞かなかったというのを理由に、家の近所で母親に置きざりにされ、大声で泣きながら自力で帰宅した経験があり
大人になってもそのことがトラウマとして残り、母親が怖い、母親から支配されていてものすごく辛いけど、怖くて逆らえない。と泣きながらカウンセリングを受ける場面がありました。
私が十数年前に中国語の取得を目的に見た映画やドラマにも、親から子どもへの過干渉と思われる内容が多かったので、今でも状況はあまり変わっていないのかもしれません。
過干渉も児童虐待の一種であり、子どもの気持ちを尊重せずペットのように育てた結果、大人になっても精神的な自立が出来ずに悩み苦しんでいる人が多いようです。
そして、私が闇が深すぎる・・・と思った動画です。ご視聴ください。
【漫画】3歳の息子に怒鳴る夫「謝らないなら叩くぞ!」私「やめて!」穏やかだった頃の夫に戻ってほしい。けれど息子にも悪影響が出てきて……。
夫は、自分の親に育てられたのと同じように自分の息子にも接しており、悪いことを繰り返さないようにと、威圧したり叩いてでもわからせようとしています。
それが正しいと考えており、自分のやり方に問題があるという認識がありません。
親の背を見て子は育つということわざにもあるように、子どもは親や養育者に言われたことではなく、していることを真似するので、息子は幼稚園で夫の問題行動を真似しています。
幼稚園のお友達が怪我をしなかったなら問題はない。という話ではなく、他のお友達が息子の言動を真似するようになると、子どもは大人と違って手加減できないので、喧嘩になれば相手に怪我をさせてしまう可能性もあり得ます。
夫は、感情的に怒った、叩いた。という事実のみにフォーカスしており、幼稚園の他の子どもたちに悪影響を及ぼす可能性についての想像力が欠けています。
それから夫は、こどもの頃に母親から感情的に怒られたり叩かれたりして、怖かったから言うことを聞くようになったようです。
そうなりますと、夫自身も、親に自分の気持ちを受け止めてもらえなかったということになり
納得して親に従っていたわけではなかったので、父親に殴られたから痛い、相手も嫌だというのがわかった。という認識しかできなかったのではないでしょうか。
イヤイヤ期の子どもは、親や養育者に対し
自分でやりたい、認められたい、やり遂げたい、自分の思い通りにしたい
自分でやりたいのに出来ない
自分の言いたいことを上手く表現出来ない
自分がして欲しいことを親がしてくれない
自分の思い通りにいかず、悔しい、悲しい、自分への苛立ち、それをわかってくれない親や養育者への苛立ちや怒り
等の理由で泣きわめき、自分の気持ちを理解して欲しい、受け止めて欲しいと考え、必死に全身で訴えます。
でも、現代の親や養育者はやる事が多過ぎて忙しく、余裕がないと、目の前の予定をこなすのに精一杯のあまり、聞き分けのない子どもに怒りをぶつけてしまうこともあります。
忙しい=心を失くす という言葉がピッタリと当てはまる状況となり、そこには自己中心的な考えしかないので、その場面においては愛はありません。
子どもからすれば、愛のない(自分の気持ちを受け止めてもらえない)状態で感情的に注意されても、反発心が出るだけで、到底受け入れられません。
でも、親や養育者から感情で怒られると怖いので、それ以降は怖いから言うことを聞くようになり、その時は仕方なく従っても、子ども自身が納得して従っているわけではないので、親や養育者からの愛を感じられません。
子どもは頭の中で
親や養育者の言うことを聞いていたら褒められる。
親や養育者の言うことを聞かなかったら怒られる。
と脳内変換し、親や養育者の言うことを聞くしかない。と解釈するようになります。
私が保育園で働いていた時に、実際に園の4歳児の女の子から、悲しそうな表情で言われた言葉でもあります。
それは条件付きの愛でしかなく、ありのままの自分の気持ちを受け止めてもらえないので、子どもの心は満たされません。
このように不満や不安を抱え、それが解消されないまま大人になると心の闇となって残り続けます。
幼い時に、余裕のなかった両親に条件付きの愛で育てられたのが原因で、心の闇を抱えるようになってしまった夫自身にはその自覚があまりなく、満たされないまま成熟度の低い大人になりました。
結婚後は家庭を持つことで夫、父親として、自分の存在意義を見いだしていましたが、子どもの反抗期で自分の思うようにはいかなくなりました。
焦りと苛立ちを募らせて自分の限界を超えた夫は、悪いのは甘やかす妻と我が儘な子どもであると責任転嫁し、自分の持っている欠点・弱点を頑なに認めないようにすることで、何とか自分の心の安定を保とうとしています。
でも、それはあくまでも現状を誤魔化しているだけで、夫は心の成熟度が低いままですので、子どもが自分の言うことに従わなかったり、妻から正論で自分の欠点・弱点を指摘されると
夫は、育児のやり方を否定されたことを、自分(夫・父親である)を否定された。
と脳内変換し、自分のプライドを守ろうと相手を敵視して怒りをぶつけているうちに理性を失い、暴言、暴力となる。ということになるのではないでしょうか。
妻は夫からの、子どもと自分への言動により、本能で夫の心の闇とその危険性に気付き、離婚という形で夫と距離をおくことにしました。
夫は親からの愛を感じられず大人になったので、子どもをどう愛すればいいのかがわかりません。
妻の指摘は、夫にとっては実現不可能な正論でしかないので、受け入れるのは容易ではないでしょう。
自分が両親に育てられたのと同じように、自分の子どもを育てる人もいれば、両親を反面教師にし、違うやり方で子どもを育てる人もいます。
次の動画の内容もウーマン・リブに翻弄された母親とその息子が登場しますので、別の意味で、それぞれの心の闇が表現されています。
【漫画】専業主婦を許さない義母「息子の稼ぎをあてにして!」「私が仕事見つけてあげる!」「今の時代は女も働かないと!」うんざりしてる私を押しのけて物申したのはまさかの旦那でした!
義母は心のどこかで、兼業主婦をするのが辛くてたまらなかったのを我慢している部分があったのか、それを嫁にも同じようにさせることで自分の心の安定を保とうとしています。
これを、攻撃者との同一化というようです。詳細はコチラをご参照ください。
特に、姑は嫁に対し、息子をとられた!と解釈して嫉妬する人が多いので、なおさら嫁はそのターゲットにされやすいのだと思います。
世の中にはこの動画の息子のように、子どもの頃に寂しさを感じていても親に言わずに我慢している人も一定数おり、それぞれ違う心の闇を抱えていたとしても、表に出さないから問題視されてこなかっただけなのではないでしょうか。
イヤイヤ期を含めた幼い子どもへの親や養育者の対応は、世間が考える以上に大きな影響を及ぼしています。
小さいからまだ理解できないだろう、元気そうに見えるから大丈夫だろう、と適当に対応していると、取り返しのつかないことになりかねません。
生活費や老後の資金、子どもの将来の為の学費等に備え、稼げるだけ稼ごうという考えは理解できますが、それが行き過ぎるとそのしわ寄せは子どもにいってしまいます。
共働きの世帯で両親ともに長時間労働だと、保育施設に預けられる時間が長くなってしまいますし、大抵は主に子育てを担う母親に過剰な負担がかかりますので、子どもにしっかりと向き合うのが難しくなります。
両親が揃っている家庭ならば、どちらか一方に育児の負担が過剰にいかないように調整し、両親ともに常に子どものことを気に掛けてください。
平日は仕事で時間がとれなくても、休日に子どもとじっくりと向き合う時間を作れば、その想いは子どもにちゃんと伝わります。
保育施設に預けたら安心。ではなく、保育施設はあくまでも、仕事で子どもを見れない時間帯に一時的に子どもの世話をするだけですので、育てるのは親であるということを忘れないでほしいと思います。
イヤイヤ期の子どもでも、親や養育者が理解出来るように真心を込めて接すれば、心を開き素直に受け入れてくれるようになります。
ただ、発達には個人差がありますので一概に言えませんが、子どもがなかなか理解出来ない場合でも、わかるまで忍耐強く何度でも繰り返し、言い方や表現を変えたりし、工夫をこらして教えていくことも必要です。
養育する大人が複数居る場合、情報共有して同じように対応すれば、子どもが混乱することは少なくなります。
人間には、親子でも相性というものがありますので、一時的に反発心で父親の話を聞かない場合は、母親からだと聞く可能性もありますし、その逆パターンもあります。
どちらかが子どもを叱ったら、もう片一方が、子どもに対して、こういう理由でお父さん(あるいはお母さん)はこう言っているんだよ。と説明してフォローするようにしてください。
でも、大人からすれば、子どもからの要求を受け入れるのが時間的、経済的に無理な時も多々あると思いますので、別の日時や他のことで補う、時間がある時は落ち着くまで待つ等、試行錯誤してみてください。
子どもによっては、泣き疲れて冷静になり、ごねてもどうにもならないのを思い知る時もあるでしょうから、親や養育者はそのタイミングで子どもと誠心誠意向き合ってください。
子どもがごねた時にどうしても時間がない場合は、不意打ちで注意を逸らし別のことに気が向くように促したり、強制的に抱き上げ場所を変えて気分転換させ、抱きしめて一旦落ち着かせるのも有効な方法です。
養育者や親が子どもにしっかりと向き合うと、子どもは安心して人への信頼感を獲得し、心が安定します。
私がよく見てきたパターンだと、母親や女性の場合だと甘えてくる子どもが多く、父親や男性だと甘えられないと認識しているのか、一発で言うことを聞く場合も結構ありました。
下記のサイト記事も参考になりますのでご参照ください。
「三つ子の魂百まで」の諺から考える祖父母世代との子育てギャップ
子育ては、子どもによって全然違うことも多く、世間一般で云われている子育て方法には当てはまらないこともありますので、慣れないうちは上手くできなくて当たり前です。
特に、親が若過ぎて未熟で知恵、知識のない場合や、片親で子どもを育てる時間的、経済的余裕がない場合は、一人で抱え込まずに、実家や友人、知人、地方自治体や保育施設等に相談して助けを求めてください。
そして、子育て世代ではない人も、必死に子育てをしている親御さんがいたら暖かく見守ってあげてください。
ものすごく大変そうで助けが必要そうなら、声をかけてみてください。
それから、日本でも子どもの誘拐事件が多く発生していますので、外出時は特に、絶対に目を離さないでください。
【毎年1000人以上の子供が行方不明】日本で幼児誘拐している犯人もほぼ中国人であることが判明
今回の記事の内容に該当する御言葉(神様の言葉)がありましたので、こちらもご参照ください。
RAPT有料記事489(2020年8月10日)主の愛を受けて生きる人は、主が必要なものを全て与えてくださると信頼しているので、本能と欲望の赴くままに生きる必要がない。
最後に、この世の全ての子どもたちが、親や養育者からの正しい愛をたくさん受けて育ち、心身共に満たされて成長し、幸せに生きられるようになりますことを心から祈ります。