北京留学時に私が出会った善良な中国の人々
私は行政書士として「国際業務」をメインに取扱業務とすることに決めました。
正直言うと私にとって「国際業務」は、できることなら本来は最も避けたい業務でした。
一年半の北京での留学生活の最後の半年間に、一緒に住んでいた北京人のKさんとのことがあったので、入国管理の仕事なんてあり得ないと本気で思っていました。詳細はコチラ。
Kさんのおかげで私の中国人観は一時的にかなり歪んでいたからです。
でも、ある目的と様々な事情があり、敢えて「国際業務」を選びました。
私に中国留学経験があり、「多少の中国語力がある」から?とか思っている人も居るようですが、そんなことはなく人それぞれです。
私がこの業務を選んだ理由は今はここには書けませんがそんな単純なものではありません。
バスの中でさり気なく席を譲ってくれた知らない男性
他の記事でもちょろっと書きましたが、私は中国に対しては「好きでも嫌いでもない」という複雑な感情があります。
「嫌いでもない」と思えるようになったのは、ものすごく善良な中国の人々にも出会えたからです。
留学時に北京市内で用事の帰りに公共バスに乗った時の話です。
その時の車内は非常に混んでいて座れませんでした。
人口密度がかなり高い中、立って握り棒に必死にしがみついていたら、知らない40代位の男性がさり気なく私に席を譲ってくれました。
お礼を言う私に対して、恩着せがましい態度を見せる事も見返りを求めることも一切なく、何事もなかったかのように近くで立っていました。
お年寄りに席を譲るのはよく見られる光景ですが、当時の20代の若い私に対して、何で席を譲ってくれたのかがわかりませんでした。
発音から察するに南の方の地方の人だと思うのですが、その時の必死な姿の私をあまりにも気の毒に思ったからなのかもしれません。
スーパーでのレジの会計待ちの順番を譲ってくれた知らない女性
大学の近くのスーパーで買い物をした時の話です。
お会計をしようとレジで並んでいました。私の前には3人位並んでいました。
私のすぐ前に居た30代後半位の女性が私の買い物かごにある商品を見て、自分の前に並ぶようにと順番を譲ってくれたのです。
何で譲ってくれたのかはわからなかったのですが、その時の私はとても疲れていて、かなりしんどかったので素直にお礼を言ってお言葉に甘えました。
どうして順番を譲ってくれたんだろうと考えてみました。
私が買ったのは赤ちゃん用の石けんでした。
私はどちらかといえば敏感肌に近く、中国で売られている普通の石けんだと刺激が強かったので、赤ちゃん用の石けんを愛用していました。
もしかしたら、育児に疲れ果てているお母さんだろうと勘違いされたのかもしれません。
その女性も発音から察するに南の方の地方の人のようでした。
半泣き状態で道に迷っていた私を助けてくれた若い女性
私が道に迷ってものすごく困っていた時の話です。
私はとある施設に行こうと、その地図と住所が書かれている紙を持って歩いていました。
かなりの方向音痴の私は、途中で現在地がわからなくなってしまい半泣き状態でした。
少し前を20代前半位の若い女性が歩いていたので、声をかけて住所が書かれている紙を見せて行き方を尋ねました。
その女性にもわからない場所だったらしく、近くにあった公衆電話で住所が書かれている紙を見ながら、わざわざどこかに電話をかけて確認して、私をその目的地のすぐ近くまで連れて行ってくれました。
私が何度もお礼を言うとにっこりほほ笑み、何事もなかったかのように立ち去って行きました。
半泣き状態の私を不憫に思って、助けてくれたのだと思います。
その女性も発音から察するに南の方の地方の人のようでした。
反日デモの時に日本人の私を気遣ってくれた中国の人たち
一時期、日本料理屋さんが襲撃されたり、一部の日本人が被害に遭うという反日デモがありました。
日本ではマスコミが一部の映像を繰り返し流して印象操作をするというかなりの偏向報道が行われていたようですが、現地では特に騒がれることなく平和そのものでした。
私が北京人Kさんと日本料理屋さんで普通にご飯を食べている時に、日本でのマスコミの偏向報道を見て心配した両親が私の携帯に電話をかけてきました。
さすがに本当のことは言えず、心配をかけないように「日本人の友達とご飯食べているところ。大丈夫だよ」と嘘をつきました。
家に帰ってくつろいでいる時に、Kさんの紹介で知り合った女子大生が携帯のショートメールをくれました。
「デモのことで騒がれているようだけど、大丈夫だよ。心配いらないからね。落ち着いたらまたご飯食べに行きましょう」と私を優しく気遣うメールをくれました。
それから翌日、たまたま暴飲暴食が原因でお腹を壊して大学を休んでいた私に、同じクラスの日本人の友達が電話をくれました。
反日デモが怖くて授業に出られないのかもしれないと思ったクラス担任の先生が、私のことをひどく心配していたとのことでした。
私は普段授業をめったに休まない生真面目な学生だったので、先生は私が授業に出てこないのはデモが原因ではないかと思ったそうです。
優しい心遣いに愛を感じました。
クラス担任の先生とKさんの紹介で知り合った女子大生は北京人です。
同じ中国人でも良い人も居ればそうでない人も居る
上記の話はごく一部で他にもたくさんの善良な中国の人々との出会いがありました。
でも、それよりも若干多い位のキチガイレベルの中国の人々との出会いもたくさんありました。
Kさんとは喧嘩別れしましたが、基本的には悪い人ではありません。
中国全体に蔓延する「拝金主義」という洗脳によって、心が歪んでしまったのだと思います。
でも、犯罪には加担したくないので縁を切ったことは全く後悔していません。
国ではなく人それぞれなので、国籍だけで善良か否かを決めつけるのは良くないなと思います。
キチガイとは一切関わりたくありませんが、善良な人とは一人の人間として誠実に真心でお付き合いしています。
いずれの国でも、キチガイと善良な人をしっかりと区別してお互いに仲良く共存共栄していけたらと、心の底から願っています。
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